今回は、住宅の性能を評価する制度について考えてみます。
マンションや戸建住宅を購入した際に、売主から、ここは「住宅性能評価を受けていますから、安心です」と言われることがあります。
でも、この住宅性能評価とは何を意味しているのでしょうか?
住宅性能評価という言葉は、平成12年に「住宅の品質確保等に関する法律(品確法)が制定され、その中に、日本住宅性能表示基準が定められ、この基準に基づいて、住宅性能が評価されることを意味します。
従い、評価項目も査定する機関も定められています。
評価基準項目とは、以下の9項目です。
@ 構造の安定に関わること(耐震、耐風、耐積雪、基礎・地盤など)
A 火災時の安全に関わること(警報装置、避難対策、耐火性能など)
B 劣化の軽減に関わること(耐久性への配慮)
C 維持管理への配慮に関わること(建築設備の維持管理のしやすさ)
D 温熱環境に関わること(冷暖房などのエネルギー対策)
E 空気環境に関わること(ホルムアルデヒドなどのシックハウス対策、24時間換気)
F 光・視環境に関わること(窓などの開口部の割合)
G 音環境に関わること(床や壁の遮音性、窓の遮音性)
H 高齢者等への配慮に関すること(手すり、廊下の幅などバリアフリー対策)
以上の基準に対し、評価が為されるわけですが、次の項目については、必ずしも評価されなくても良いことになっています。
Eの空気環境に関して、
・ 室内空気中の化学物質の濃度(建材から放散されるホルムアルデヒドなどの量)
Gの音環境に関して、
・ 重量床衝撃音対策(LHで表示されます)
・ 軽量床衝撃音対策(LLで表示されます)
・ 壁の透過損失等級(戸境壁や外壁開口部のの遮音性能です)
従いまして、表示基準が定められていますが、この中には、評価されなくてはならないものと、評価されなくてもいいものがあります。
それでは、住宅性能評価を受けている、ということはどのような意味があるのでしょうか?
住宅性能評価は、必要な書類を、指定住宅性能評価機関に提出して、評価基準に基づいて評価され、問題がなければ住宅性能評価書が交付されます。
住宅性能評価書には、次の2種類があります。
1.設計住宅性能評価書
建物の設計図書だけについて評価されたものです。
2.建設住宅性能評価書
建物の建設中に何度か工事検査を受け評価されたものです。
以上の評価書を交付されると、標章が授与され、主に次の利点があります。
@ 住宅の性能が客観的に具体的な等級で示され、安心感が持てる。
A 建設住宅性能評価書を受けると、欠陥による紛争が生じた場合、住宅紛争処理支援センターで、1万円の費用で紛争処理申請可能。@の設計性能書だけでは申請は不可能。
この法律が実施された平成13年の統計によりますと、設計住宅性能評価を受けた共同住宅の戸数は約4万戸で、また、建設住宅性能評価を受けた共同住宅の戸数は約2万戸となっています。
平成13年に建設された共同住宅の戸数は約20万戸ですので、設計評価を受けた共同住宅は2割、建設の評価は1割ほどしかありません。
折角、このような法律を作成しても、この基準が強行規定ではありませんので、実状は、第3者による住宅性能評価というものが、まだまだ、普及していないのが現状と言えます。
今までに、多くの内覧会などに立ち会ってきましたが、設計住宅性能評価書を受けているマンションは、やはりまだ僅かですし、建設住宅性能評価書に至ってはほとんどありません。
消費者にとっては、性能評価書というものは、大きな安心を与えてくれますが、売主にとっては、申請にお金もかかるし、チェックを受けるのも面倒だし、このような事情が背景にあって、そんなに普及していないと思われます。
住宅の性能として、必要な評価項目を選び出し、等級を付けて消費者に分かりやすくするための法律ですが、買手よりも売主の都合で、利用されていないのは、制度上の問題があるのでしょう。
マンションや戸建住宅を購入した際に、売主から、ここは「住宅性能評価を受けていますから、安心です」と言われることがあります。
でも、この住宅性能評価とは何を意味しているのでしょうか?
住宅性能評価という言葉は、平成12年に「住宅の品質確保等に関する法律(品確法)が制定され、その中に、日本住宅性能表示基準が定められ、この基準に基づいて、住宅性能が評価されることを意味します。
従い、評価項目も査定する機関も定められています。
評価基準項目とは、以下の9項目です。
@ 構造の安定に関わること(耐震、耐風、耐積雪、基礎・地盤など)
A 火災時の安全に関わること(警報装置、避難対策、耐火性能など)
B 劣化の軽減に関わること(耐久性への配慮)
C 維持管理への配慮に関わること(建築設備の維持管理のしやすさ)
D 温熱環境に関わること(冷暖房などのエネルギー対策)
E 空気環境に関わること(ホルムアルデヒドなどのシックハウス対策、24時間換気)
F 光・視環境に関わること(窓などの開口部の割合)
G 音環境に関わること(床や壁の遮音性、窓の遮音性)
H 高齢者等への配慮に関すること(手すり、廊下の幅などバリアフリー対策)
以上の基準に対し、評価が為されるわけですが、次の項目については、必ずしも評価されなくても良いことになっています。
Eの空気環境に関して、
・ 室内空気中の化学物質の濃度(建材から放散されるホルムアルデヒドなどの量)
Gの音環境に関して、
・ 重量床衝撃音対策(LHで表示されます)
・ 軽量床衝撃音対策(LLで表示されます)
・ 壁の透過損失等級(戸境壁や外壁開口部のの遮音性能です)
従いまして、表示基準が定められていますが、この中には、評価されなくてはならないものと、評価されなくてもいいものがあります。
それでは、住宅性能評価を受けている、ということはどのような意味があるのでしょうか?
住宅性能評価は、必要な書類を、指定住宅性能評価機関に提出して、評価基準に基づいて評価され、問題がなければ住宅性能評価書が交付されます。
住宅性能評価書には、次の2種類があります。
1.設計住宅性能評価書
建物の設計図書だけについて評価されたものです。
2.建設住宅性能評価書
建物の建設中に何度か工事検査を受け評価されたものです。
以上の評価書を交付されると、標章が授与され、主に次の利点があります。
@ 住宅の性能が客観的に具体的な等級で示され、安心感が持てる。
A 建設住宅性能評価書を受けると、欠陥による紛争が生じた場合、住宅紛争処理支援センターで、1万円の費用で紛争処理申請可能。@の設計性能書だけでは申請は不可能。
この法律が実施された平成13年の統計によりますと、設計住宅性能評価を受けた共同住宅の戸数は約4万戸で、また、建設住宅性能評価を受けた共同住宅の戸数は約2万戸となっています。
平成13年に建設された共同住宅の戸数は約20万戸ですので、設計評価を受けた共同住宅は2割、建設の評価は1割ほどしかありません。
折角、このような法律を作成しても、この基準が強行規定ではありませんので、実状は、第3者による住宅性能評価というものが、まだまだ、普及していないのが現状と言えます。
今までに、多くの内覧会などに立ち会ってきましたが、設計住宅性能評価書を受けているマンションは、やはりまだ僅かですし、建設住宅性能評価書に至ってはほとんどありません。
消費者にとっては、性能評価書というものは、大きな安心を与えてくれますが、売主にとっては、申請にお金もかかるし、チェックを受けるのも面倒だし、このような事情が背景にあって、そんなに普及していないと思われます。
住宅の性能として、必要な評価項目を選び出し、等級を付けて消費者に分かりやすくするための法律ですが、買手よりも売主の都合で、利用されていないのは、制度上の問題があるのでしょう。