今回は、コンクリートまめ知識その1、と題しまして、コンクリートの強度についてお話致します。
ところで、コンクリートの兄弟みたいなものに、モルタルというのがあります。
コンクリートの主な中身は、セメント、水、砂そして砂利です。
弟分のモルタルの中身は、セメント、水、砂です。
そうです、砂利が入っていれば、コンクリートと呼ばれます。
皆さんが、お住まいになっているマンションには必ずコンクリートが使われています。
マンションに管理されている建築の設計図書には、どのくらいの強度のコンクリートが使用されているかの記載があります。
建物は下へ行くほど、上からの重さが加わってきますので、柱の大きさも増えますし、コンクリートも強度の高いものが使われていきます。
でも、同じセメント、水、砂、砂利を使って、どのように強度を変えるのでしょう。
これは、混ぜる水の量を変えているのです。
ある量のコンクリートを作る際に、そこで使ったセメントと水の重量比を、水セメント比と呼びます。
たとえば、1立方メートルのコンクリートを作るのに、セメントが300kg、水が150kg使われていたら、水セメント比は50%です。
通常、建物で使われるコンクリートの水セメント比は50〜65%です。
一方、セメントが化学反応をして硬化するのに必要な水の量は、水セメント比で言いますと、20%ほどです。
ですので、セメントの重量の20%の水を加えてやれば、全てのセメントは水と反応してちゃんと固まることになります。
でも、水セメント比20%のコンクリートでは、水を入れた直後でも、固くて、柱や壁の型枠の中に流し込めないわけです。
つまり、建物の柱や壁には、鉄筋がたくさん入っていますので、ある程度、コンクリートが流動性を持っていないと、流し込めなくなってしまうわけです。
流し込ませるために必要な水の量が、セメントの重量の50〜65%程度ということです。
先ほど、セメントが硬化するのに必要な水の量は、セメントの重量の20%程度言いました。
コンクリートを流し込ませるためには、50〜65%の水が必要ですので、30〜45%の水は余ってしまって、混ぜた後、蒸発していきます。
コンクリートの場合、水が蒸発する時は、すでに固まっていて、全体の容積は変わりませんので、小さな空隙がコンクリートの中に、たくさん出来ていることになります。
この空隙が多くなるほど、コンクリートの強度は小さくなります。
要するに、水セメント比が大きいコンクリートほど、強度が小さくなるわけです。
逆に、強いコンクリートを作るには、水セメントを小さくしていきます。
でも、水の量を少なくしますと、固くなって、流し込みにくくなってしまいます。
そこで、水ではなく、コンクリートの流動性を高める混和材を使って、強度も高く、流動性のあるコンクリートを作っていきます。