第1便「内覧会の開始時間について」
第2便「コンクリートのまめ知識その1」
第3便「コンクリートのまめ知識その2」
第4便「マンションの遮音性能」
第5便「マンションの床の遮音性能」
第6便「アフターサービスと瑕疵担保」
第7便「住宅性能評価とは?」 |
番場敏郎のマンション・スマイル通信箱
|
前 次
マンション・スマイル通信箱 第1便
「内覧会の開始時間について」
差出人 番場敏郎(マンションライフ 内覧会同行・立会いインスペクター)
|
今までに、数多くのマンションや戸建の内覧会に同行させて頂きました。
この経験から、皆様方のお役に立ちそうな事柄をいくつかご紹介致します。
今回は、内覧会の開始時間について申し上げます。
さて、内覧会というのは、売主が買主に対して、「あなたのお部屋が完成したので、ご覧下さい」という趣旨になります。
例えば、マンションの売主はA不動産、施工会社はB建設、と致しましょう。
建物が建設されて行き、完成しますと、B建設はA不動産のチェックを受けます。
A不動産のチェックを受けて、補修が済んだら、今度は買主への内覧会になって行きます。
この段階では、まだ建物の所有権はA不動産ですので、内覧会で買主が指摘する事項は、A不動産に対するものとなります。
A不動産は、買主から出た不具合をB建設に補修させ、そして、B建設は、不具合を完了させたら、B建設はA不動産に建物の完成引き渡しを行う事になります。
その後に、A不動産から買主に所有権が移っていきます。
余談が長くなりましたが、内覧会というのは、買主が建物を引き取る前の大事な検査に当たる、ということを申し上げたかった訳です。
ですので、内覧会の時は、時間をかけて、ゆっくりと、お部屋の隅々まで観察されることをお勧め致します。
ところで、内覧会に行きますと、売主の受付の人が、できれば30分ぐらいで、なんて言いますが、こんな言葉に惑わされず、たくさんのお金を払って購入した新品のマイホームという意識を持って、見ていくことが大事です。
プロでも、部屋をチェックするときは、30分では無理で、1時間近くは掛かります。
ましてや、皆さんは経験が少ないわけですし、自分の家ですから、ゆっくりと1時間以上掛けて、各部屋を見て回って下さい。
分からなくても、とにかく、隈なく全ての部屋を観察し、お住まいになったつもりになって、建具も家具も動かしてみる、中を覗いてみる、そして、水も出してみる、そうすると、あれ、ちょっと変だ、という箇所も出てくるものです。
要するに、買主にとって、引渡しを受ける前の、最初で最後のチェックが内覧会、ということになりますので、じっくりと良く観察して、変だと思ったら、売主に聞いてみる、そうなると、より有意義な内覧会になると思います。
従いまして、有意義な内覧会とする為には、まず、時間を掛けることです。
時間を掛けるとなると、内覧会を開始する時間というのは、早い方が良くなります。
なぜなら、例えば、午後3時以降から始める場合では、特に冬場ですと、日が暮れてしまって、部屋の中が見えにくくなってしまうからです。
それから、内覧会では、部屋を見た後に、共用部の案内や、カーテンなどの採寸なども行うこともあります。
また、売主は、5時を過ぎますと、もう、片づけを始めます。
内覧会では、お部屋を見るだけでなく、他にもいろいろとしたい事があるものです。
このような事項を、ゆっくりと焦らずに行うためには、やはり、内覧会では、時間に余裕があった方が良いでしょう。
マンション建設が完成に近づいてきますと、例えば、「あなたの内覧日は、2月1日、午前10時から」という知らせが来ます。
この知らせは、売主が勝手に決めたものですから、ご都合が悪いようであれば、勿論、日程にしろ、時間にしろ、変更可能です。
内覧会は、平日だけでなく、週末も行っている場合がありますから、週末の方が都合の良い場合は、「週末に変えたい」と要望すれば変えてくれます。
内覧会は、ご都合の良い日に、時間に余裕を持って、実施されるのが宜しいと思います。 |
|
|
|